【助成報告書】
四万十川の鮎がつなぐ、人・地域・未来
川とともに生きる漁師の知恵と誇りを、体験と交流を通じて次世代へ
HATA!チャレンジ助成プログラム2025 初めの一歩コース
◆活動概要
団体名:鮎感謝祭実行委員会
団体住所(本拠地):四万十市
活動場所:四万十市
採択金額:50,000円
<スケジュール>
6月13日 実行委員会(大まかな打合せ)
6月24日 鮎もなか食い競争リハーサル
6月25日 決起集会(実行委員交流)
7月16日 財団HATA!助成決定
7月26日 鮎Tシャツ販売開始
7月31日 まちの作戦会議出席
8月14日 大用盆踊りお手伝い(音響スタッフになってもらうため)
9月7日 カドルファミリーさんと一緒に屋形船企画(9月11日KUTV放送)
10月1日 チラシ配布開始
10月8日 実行委員会
10月23日 FMはたらんど出演(原くん)
10月23~25日 準備
10月26日 開催&打ち上げ
10月27日 片付け
11月18日 実行委員会(反省会)
<実施事業概要>
2025年10月26日(日)、四万十市田出ノ川のカヌー体験施設「かわらっこ」前の河原にて、第二回鮎感謝祭を開催しました。
本イベントは、地元の川漁師で構成する実行委員会が主催し、「四万十川の食材や川漁師に親しみを持ってもらうこと」を目的として実施しました。
当日は、約25センチの天然鮎の塩焼きをはじめ、鮎のほぐし身入りたこ焼き、鮎ずしなど、多彩な鮎グルメを提供しました。オリジナル料理の開発にはつながったものの、イベント当日限定のものが多く、今後も継続して鮎を食べてもらえる機会づくりの必要性を感じています。
また、投網体験も実施し、来場者が四万十川の川漁文化に触れる機会となりました。
来場者数は約600~700人で、家族連れを中心に多くの地域住民や観光客が訪れ、会場は大いににぎわいました。
さらに、四万十市地域の学校にも協力をいただき、
・中村中学高等学校が事前に看板を制作し、当日は書道パフォーマンスを披露
・幡多農業高等学校吹奏楽部が会場で演奏を実施
・幡多農業高等学校生活コーディネート科が販売を担当
するなど、イベントを大いに盛り上げてくれました。
また、川の特色を生かした体験企画として、「ころばしづくり体験」「とって食う体験」「投網体験」「ハゼすくい」なども実施し、子どもから大人まで楽しめる内容となりました。
◆活動実施者の声
Q,どんな人が参加(または利用)してくれましたか?
親子連れを中心に、ステージ演者関係者、中高生の姿が目立ちました
Q,どんな感想をもらえましたか?
“四万十川を会場とした点は非常に好評で、子どもたちを目の届く範囲で安心して思いきり遊ばせられたことも高い評価を得た。
一方で、鮎もなか食い競争や菓子まきなど、イベントとしての“見せ場”には、さらなる改善の余地がある。”
Q,計画から工夫や変更した点、また次回に向け改善点はありましたか?
“川漁師以外の団体とも積極的に交流を持つようにし、その結果、カドルファミリーさんとの屋形船企画の実施や、中村中学高等学校さんに看板作成を担っていただくなど、新たな連携が生まれた。
一方で、鮎感謝祭の前日・当日・翌日にかけてはスタッフ不足を強く感じた。次年度は、運営に継続的に携わってもらえる仲間を増やしていきたい。
・活動協力団体
“四万十川中央漁協
四万十川財団
四万十市農林水産課
四万十市生涯学習課
(イベント当日の投網体験運営等)
◆助成を受けた感想
一次産業のなかでも斜陽といわれる川漁師の仕事ですが、今回の取り組みを通じて、地域の方々だけでなく、想像以上に多くの世代・多様な団体と関わることができました。
その広がりに触れ、この産業もまだ踏ん張れるのではないかと感じられる一日になりました。
一方で、川漁に携わる人材や、このイベントを継続していくための人材を確保することの難しさも痛感しています。
だからこそ、次年度はさらに多くの人と手を取り合い、未来のために動く団体として、より活発に活動していきたい。”
◆助成終了後の展望
【人材集め】運営にかかわってくれる人【資金集め】募金箱設置(よりみち研究所、中央漁協、四万十市農林課)、企業への寄付依頼【イベント勉強】他のイベントに参加、遊びにいき学んでいく
メンバー感想
・ 無事鮎感謝祭が開催でき、改良点もあるものの来場してくれた方達が楽しんでくれていたことがよかったと思います。
・開催はできたが、まだ継続性が乏しく、課題がある。
・ 色々課題はありましたが、無事にトラブルなく開催できました。改善し、継続していきたいと思います。
◆HATA !コメント
【伴走支援コメント】
四万十川の誇りを次世代へ。漁師たちが仕掛けた「感謝」の輪
「川漁師は斜陽産業かもしれない。けれど、まだ踏ん張れる」
活動を終えたメンバーから漏れたこの言葉に、今回のプロジェクトのすべてが凝縮されているように感じています。四万十川とともに生きる漁師の知恵と技を、ただ守るだけでなく「楽しさ」とともに次世代へ手渡す。そんな熱い想いから始まった挑戦でした。
■ 「川」が結んだ、多世代の新しいつながり
今回の大きな成果は、漁師という枠を超え、地域全体を巻き込む「ハブ」となったことです。
カドルファミリーさんとの屋形船企画による親子へのアプローチ
中村中学高等学校による看板制作と圧巻の書道パフォーマンス
幡多農業高等学校の吹奏楽演奏と、生徒による販売実習
地域の中高生や子育て世代が、川を舞台にプロの漁師と混ざり合い、700人もの来場者が四万十の恵みを五感で楽しむ。そこには、川漁文化が「過去の遺産」ではなく「地域の未来」として輝く光景がありました。
■ 現場で見えてきた、持続するための「向かい風」
盛況の一方で、浮き彫りになったのは「担い手不足」という切実な課題です。
前日からの準備や片付け、イベント運営を支えるスタッフの確保は、川漁師の高齢化や次世代問題と直結しています。5万円という助成金は、広報や地域とのつながりを作る展示物の材料費の「初めの一歩」を支えることはできても、運営そのものを支える「人の手」を魔法のように増やすことはできません。
■ 伝統を「あそび」から「なりわい」へ繋ぐために
「楽しかった」で終わらせず、この文化をいかに持続可能なものにしていくか。
今後は、募金箱の設置や企業寄付の開拓など、自走するための資金基盤づくりと、運営に関わる「仲間」集めが重要になります。漁師の誇りが、子どもたちの憧れに変わるその日まで。
HATA!は、四万十川の豊かな流れのように、この活動が途絶えることなく続いていくよう、これからも「鮎感謝祭実行委員会」の皆さんのこれからの挑戦を伴走していきたいと思います。
鮎感謝祭実行委員会の皆さん、川漁師の底力を見せてくれた素晴らしい挑戦をありがとうございました!
(取材:2026年3月)